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北野武「人のせいにするな、あらゆる責任は自分が負え」

CULTURE

北野武が考える、男の闘い

いわゆる“ヤクザ映画”の枠にとどまらない、誰もが楽しめるエンターテイメント性の高さから、老若男女の幅広いファンを掴んでいる「アウトレイジ」シリーズ。これまでは“全員悪人”をうたってきたが、『最終章』のキャッチコピーは、“全員暴走”だ。

「ヤクザの世界の話っていっても、拳銃と暴力を除いてしまえば一般実社会の話になるんだよね。裏切りとか、いきなりとんでもない奴がコネでやってきたり、ちゃんとやってきた奴が理不尽に外されたり…。1本目は分かりやすいヤクザらしい話。2本目は人間関係。3本目は、完全に社会や組織のゆがんだ形の話。実際日本でもよくあることだよね。意識して作ったわけではないけど、そういうストーリーになった。しょせんヤクザも一般実社会と同じなんだってね」

“男たちの闘い”を描いた「アウトレイジ」シリーズだが、北野監督自身が闘っているものは何か問いかけてみた。
「闘うっていうか、ずっとイライラしているのは、何年もかけて作られた今の日本のシステムかな。昔は五社協定(※かつて大手映画会社間で専属監督や俳優の引き抜きを防止する等の目的で締結された協定)があったり、今もいろいろ組織はあるけど、既得権益ばかり考えられてる。映画でもなんでも、独立プロなんかははじきとばされるようなシステムになってて、マヌケな奴らにヨイショしなきゃいけないこともあるし、コネでできている部分もある。そういうシステムが出来上がっちゃってて、新しく参入するには相当なパワーがいる社会になってるよね」

「“みなさんのために私はこういうカタチを壊してやります”っていう気はさらさらないけど、自分のために壊していきたいってことだよね。そういうのは自分で勝ち取るものだから。これからも映画の作り方が少しずつ変わっていって、いい映画界になることを期待してるよ」

“当たり前のこと”をやっているだけ、それが創作活動につながっている

テレビ出演、小説の執筆、映画監督など多彩なフィールドで活躍する北野監督。創作活動の時間はいつ捻出しているのだろうか。第一線で活躍し続ける男のエネルギーの源とは?

「まぁ、泳いでいる魚に「偉いね」って褒める奴はいないよ。努力しているわけじゃないけど、ただ“サメみたいに泳ぐのをやめたら死ぬ”みたいなもんだ。でも無理して泳いでいるわけでもない。若い奴と話してるといつの間にかお笑いのネタの話になってるし、家に帰って映画の脚本書こうかなって思うとタイトルだけ書いて終わる日もある。昨日も昔書いたヤクザの話を探しててさ、ノート3冊くらいある話なんだけど、それがやっと出てきて、読んで笑ってたけどね。コレ面白えや、小説にするかなんつって、1人で考えたりしていたよ。

王貞治さんも長嶋茂雄さんも夜中にバット振っていて、それがすごいって言われていたけど、本人は「バット振らなきゃ寝られねえんだよ」ってくらいのもんなんだよね。例えばさ、徹夜するくらい麻雀が好きな奴は“徹夜で麻雀やれるような仕事”を見つければいいんだよ」
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