OLIVER

オダギリジョー「困難は乗り越えるしかない」

CULTURE

困難な作品ゆえに人生の“糧”になった

「クランクイン前、日本にいながら、いろいろな準備をする必要がありました。スペイン語は大学でちょっと触れたくらいのものでしたから、ちゃんと勉強したことは今回が初めて。今まで触れてこなかった言語でのセリフを覚えること、そしてそこに気持ちを乗せるというようなことは専門的な芝居の話になってしまうので詳しく説明するのは省きますが、とにかく時間がかかりますし、“根気のいる作業”だったのは確かです。でもそれを投げ出すことなくやり切ることが僕にとっての大きな目標でもありました。

スペイン語以外の面でも、ハードルの高い作品でした。阪本監督は自分に厳しい人ですし、妥協や甘えを許す人ではありません。でもそのプレッシャーが、高い緊張感と集中を保つ原動力になってくれました。準備から撮影まで、過酷ではありましたが乗り越えられたことは、役者として以上に、一人の人間として自信に繋がったのは間違いないですね」

日本での撮影とは全てが異なる環境。ハードルを越えるために、くじけそうなときの乗り越え方について聞いた。
「つらいことを乗り越える名案なんてないんですよ。ただ、乗り越えていくしかない。もちろん、辞めたいな、逃げたいなと思う事ばかりでした。でも、逃げて先延ばしにしたところで、結局自分に帰って来るだけですもんね。それに加えて、僕が演じたフレディは、自分の命を懸けてボリビアの解放運動に参加しています。そして25歳の若さで命を落としています。そんな人を演じなければならない自分が、こんなことで逃げ出すなんてあり得ないですよね。命を懸けて戦った彼の精神性に近づく為にも、苦しいことに向かって進まなければならなかったんです。でも、逃げたかったですよ、本当は(笑)。他の仕事だったら逃げているかもしれません」

手を抜く、ごまかす、逃げ出す・・・つらい時の人間の行動や乗り越え方もいろいろあるなか、「困難は乗り越えるしかない」と言い切る強さの源とは。自らの力になっているものはなんだろうか。

「それは…結局のところ“努力”ということになるんじゃないでしょうか? 例えば、スペイン語を憶えていくことも、もちろん、本当に嫌になることの連続なんですよ。でもひとつずつ“今日は一つAの発音をクリアしよう”ってクリアした時の喜びを感じていくしかない。進歩を実感できれば、その次も進んでいける気になりますよね」
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