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ロマン溢れる“クラシックメガネ”の世界 コレクター岡田哲哉【男のコレクション】
マニア垂涎の貴重な“クラシックメガネ”3選
Column:その前に、メガネコレクター基礎知識
「メガネが今のような形になったのは、実は最近のこと」と話す岡田さん。「19世紀の終わりから20世紀の始めの頃、眼鏡はツルの形状、一山式という鼻に直接乗せるブリッジ部品、丸や八角形など決まったスタンダードなレンズ型を選んで、それらを組み合わせて一つの眼鏡を作っていたようです」。
現在のメガネに必ず付いている“鼻当て”が登場したのは、1920年代になってから。
「そもそも、産業革命の前までは、貴族や一部の宗教関係者しか字が読めなかったので、メガネも限られた人だけのものでした。広く浸透するようになったのは、産業革命以降。工場での教育のために労働者も字が読める必要がでてきてからです」。そこから構造も発展していった。
鼻当て素材が珍しい
1930年代ものアンティーク
「当時は、フレームとは別の素材で鼻当てを作るという発想がなかったんですね。同じ金張りで作られています。過渡期ならではで非常に珍しい」。
「よく見ると、左右のレンズをつなぐ“ブリッジ”と呼ばれる部分が、溶接ではなく一筆書きのように一続きになっています。これも珍しいですね。鼻当ての登場から20年、30年経つ頃には、ダブルブリッジなどさまざまな形が出てきます。その先駆けです」。
「1本のワイヤーでできているように見えますが、細いワイヤーが芯にあって、その回りにビーズのように穴の開いた金属がぎっしりと詰めて通してあります。素材に柔軟性があるのはこのため。今なら樹脂で簡単に作れますが、昔の素材だととんでもなく手間がかかる。今、同じように作ろうとしても無理でしょうね」。
知人からの頂き物だというこちら。数十万円の価値があるそう。
米空軍で使われていたPX品メガネ
マルコムX愛用で大ブームになった
1950年代のブロー(眉)タイプメガネ