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(更新: ORICON NEWS

ロマン溢れる“クラシックメガネ”の世界 コレクター岡田哲哉【男のコレクション】


マニア垂涎の貴重な“クラシックメガネ”3選
世界的なメガネコレクターやデザイナー、職人と仕事を通じて関わり合うなかで、貴重なモデルやヴィンテージものを譲り受ける機会が多いという岡田さん。気がつけば、メガネのコレクションは100個以上に。その中で、特に珍しい3つを見せてもらった。
Column:その前に、メガネコレクター基礎知識
“クラシックメガネ”とひと括りにしているが、メガネコレクターの間では、1950年代以前のものをアンティーク、50年から80年代ぐらいのものをヴィンテージと定義している。


「メガネが今のような形になったのは、実は最近のこと」と話す岡田さん。「19世紀の終わりから20世紀の始めの頃、眼鏡はツルの形状、一山式という鼻に直接乗せるブリッジ部品、丸や八角形など決まったスタンダードなレンズ型を選んで、それらを組み合わせて一つの眼鏡を作っていたようです」。

現在のメガネに必ず付いている“鼻当て”が登場したのは、1920年代になってから。


「そもそも、産業革命の前までは、貴族や一部の宗教関係者しか字が読めなかったので、メガネも限られた人だけのものでした。広く浸透するようになったのは、産業革命以降。工場での教育のために労働者も字が読める必要がでてきてからです」。そこから構造も発展していった。
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鼻当て素材が珍しい
1930年代ものアンティーク

こちらのメガネは、鼻当てが発明されたばかりに作られたもの。

「当時は、フレームとは別の素材で鼻当てを作るという発想がなかったんですね。同じ金張りで作られています。過渡期ならではで非常に珍しい」

さらに、鼻当ての登場により鼻にかかる部分の形状に制限がなくなった。自由度が増し、デザイン性も高まっていく。

「よく見ると、左右のレンズをつなぐ“ブリッジ”と呼ばれる部分が、溶接ではなく一筆書きのように一続きになっています。これも珍しいですね。鼻当ての登場から20年、30年経つ頃には、ダブルブリッジなどさまざまな形が出てきます。その先駆けです」。

耳にかかるツルの部分も金張りのみで作られており、耳に巻きつくようにカーブしている。

1本のワイヤーでできているように見えますが、細いワイヤーが芯にあって、その回りにビーズのように穴の開いた金属がぎっしりと詰めて通してあります。素材に柔軟性があるのはこのため。今なら樹脂で簡単に作れますが、昔の素材だととんでもなく手間がかかる。今、同じように作ろうとしても無理でしょうね」。
製法が異なるため、質感も今のものとは違う。「仕上げで磨くことで角が取れるので、当時のものはヌメッとした独特な質感になっています。この質感は、出したくても今ではなかなか出しにくい風合いです」。

知人からの頂き物だというこちら。数十万円の価値があるそう。
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米空軍で使われていたPX品メガネ

こちらは、ミルスペックならではの機能を追及した結果、このデザインになっている。「コックピット全体が見えるようにレンズが大きく作られています。強度を増すためにダブルブリッジが使われていますね。ツルがまっすぐなのは、ヘルメットや酸素マスクをつけたままでもかけられるようにです」。

こちらも同じく、ダブルブリッジにまっすぐなツルを採用したタイプ。1970年代のヴィンテージもので、パイロット専用のサングラスとして作られているため、コクピットの計器が見えるようにレンズ下の一部だけ色が入っていない珍しい作り。
この形を見て思い出すのが、映画『トップガン』で主人公のトム・クルーズがかけていたサングラス。OLIVER世代なら、そのかっこよさに憧れた人も多いはず。
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マルコムX愛用で大ブームになった
1950年代のブロー(眉)タイプメガネ

1920年から70年代、アメリカの三大メガネフレームメーカーとして君臨していたのが、ボシュロム、シューロン、アメリカンオプティカルの3社。そのシューロン社が1947年に考案したモデルがこちらの”コンビネーション”。メタルの知的さとザイルと呼ばれる耐久性に優れた素材の男っぽさが人気となり、当時、大きなブームとなった。

「黒人解放指導者として知られるMalcom X(マルコム・エックス)がかけていたことでも知られています。とてもアイコニックで、ファンが多いですね。1940年代は金属だけで作られていましたが、50年代からは金属の上にプラスチックを乗せるデザインが人気になりました」。

細部のデザイン性が高まるのも、この時期の特徴。ツルとフレームを連結する蝶番は2本のピンで固定されているが、そのピンの部分を“鋲飾り”で隠すようになった。各社のオリジナルなデザインが光る場所でもある。

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