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(更新: ORICON NEWS

伊勢谷友介「自分が生きる意味を知ること」

伊勢谷友介にとってヒーローは未来に向けて行動する人間

男にとってのヒーローである空条承太郎を演じる伊勢谷友介。俳優、映画監督、自身が代表を務める「リバースプロジェクト」の代表でもあり、企業とのコラボレーションやエネルギッシュに活動の場を広げている。子供の頃に憧れた人物や目標とする存在はいるのか聞いてみた。

「本当に小さい頃は空を飛びたくてパイロットになりたいと言っていたようですが、多感な時期は特に憧れる存在・目標になるような人はいませんでした。今の方が、憧れる人というか、生き方として尊敬できる人物像は明確かな。人として尊敬するには、今の状況から未来のことを想像して行動している人でないと、僕は納得できないんでしょうね。

僕は、『花燃ゆ』で吉田松陰役をやらせていただいた時から、「知行合一(ちこうごういつ)』、すべからく知ったことを実行に移す、ということをしています。自分が社会に出てみると自分の頭で考えて行動している人はカッコいいと思います。そういう意味で見ると、現代はイーロン・マスクさんとか、はっきりした目標と人類のために行動している人は素晴らしい。人類のために行動して、インフラも変えようとしている。すごいですよね」

自分が生きる意味を知る

人生の楽しみ方を問うと、独自の伊勢谷節が飛び出した。

「男の場合は42歳(※数え年)で本厄年がありますよね。あれは理にかなっていて。その世代に体調もさることながら、精神的に社会的に立ち位置が変わってくる年代なんですよね。それに対応できないと、世間からずれてきちゃって“自分はこのままでいいのか”って思考に陥ってしまうこともありますし、その思考のまま行動をしてもそこに“芯”がないものだから、事故を起こしてしまったり、精神的にも体調が悪化したりする。そういう人生のタイミングであるわけです。

昔の人たちは40歳を超えたら長老という扱いだったんですよね。40歳を超えたら村に帰依すること、つまり他人のためにこれからの人生を使っていかなければならない年齢なんです。逆に言うと他人のために生きる40代になることによって、その“厄”が抜ける。例えば、結婚して子供ができて、子どもの未来を考えるようになれば、人間としての立ち位置が変わるから厄がつかなかったりする、そういう風に僕は解釈しています。人生を楽しむコツ、っていうのは、精神的に社会と立ち位置が変わる時期に、自分をしっかり押し上げていくこと。それが、幸せになる方法だと思っています」

「あとは、自分がなぜ生きているのかを把握することですね。そのための実行をしていることが結果的に人の役に立っていて、ありがとうと言ってもらえること。自分の存在が誰かの助けになっていること、それ以上の幸せはないです。AIや機械によって仕事が奪われるみたいなことが始まると、人間が本来立たなきゃいけない、生きるベーシックな部分がカバーされてくるはず。人間の精神の成長、常識の変化、そこに帰依することを望みながら行動する、それが僕の幸せですね」

読者へメッセージ「自分が働く意味を理解する」

「社会的なアクションとして、一番影響の大きい“働く”ことについて。なんでこの仕事をしているのか。人間は、「こういう風に生きたいから、この仕事をしている」と繋げるべきだと思っているんです。最初の目的である、何のために生きていて何のために働く、という事をじっくり考えられないまま時間がどんどん過ぎていく事って多くないですか? みなさんはそこをどれくらい重要に考えているんだろう。僕にとって、そこは“異常に”重要なポイントなんです。

世の中の役に立つことをした結果、成功するから、ビジネスが意味のあるものになるんだけど、お金のためのビジネスになってしまった瞬間、そこは乖離しはじめちゃうと思うんですよ。子供ができて、家族のためにお金を稼ぐことを理由付けしたりするんだけれど、お金のために働いていたとしても、子どもができれば未来のことも考えないといけないと思うんですよね。今の子供の未来って、かなり今とはドラスティックに状況が変わっていくじゃないですか。その時に、じゃあ家族のためにしている今の仕事は子どもの未来を奪うことになっていないのか?ということを考えると思うんですよ。

仕事を始めるのは子供ができる前におそらく始めることですから、働くことの意味を知ってから働きたくないですか? 僕らが実際にやっていることが社会のためになっているのか、または消費することで未来を壊していないか。どっちの影響が強いのか、ってことは最初の“何のために働いているのか”という視点がないと出てこない気がしています。これからの世の中はそこから考えて、社会に影響を与えていくという意識で、“人生を伴って”仕事をしていきましょう」

(取材・文 / 加藤由盛)
(写真 / RYUGO SAITO)
Information
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
8月4日(金)公開

原作:荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:三池崇史 
出演:山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、観月ありさ、國村隼、山田孝之、伊勢谷友介
オフィシャルサイト:jojo-movie.jp
(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会
(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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