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(更新: ORICON NEWS

YOSHIKI「弱い自分を倒せたらなんだって倒せる」

身を突き動かす想い「不可能はない」

ライブ直後の楽屋の様子や、Toshl本人と洗脳事件の当時のことを語り合ったりと、長期間に及ぶ密着取材を受けたYOSHIKI。ドキュメンタリー映画制作を受けるにあたり、譲れない条件があったという。

「まず最初にスタッフに伝えたのは、「僕は制作に関わらない」「関われない」ということです。僕が関わるとこの作品はダメになってしまう。ただ、プロデューサーと監督は選ばせていただきました。僕が制作陣に出した条件は1つ「監督もプロデューサーもX JAPANのことを知らない人」であること。先入観をもっていない人であること。

大量のリストの中から、1人、『シュガーマン 奇跡に愛された男』というアカデミー賞受賞映画のプロデューサーと知り合いました。とても素晴らしい映画だったので、彼にプロデューサーとして入っていただいて、彼と映画監督を選びました。色々な監督の作品を見ていく中でスティーブン・キジャックがとてもセンスがよくて。やはり趣旨は…自分もファンの人に救われたように、この映画も誰かを救えるようなものにしてほしいと。キーワードはそれくらいのものですね。彼らも納得してくれました」
完成作品はYOSHIKI本人の目にどう映ったのだろうか。

「言葉が出なかったですね。最初は途中から涙で見えなくて。過去のできごとの一つ一つは覚えているんですが、それがまとめてこられると…もうワケが分からなかったです。ハンマーで頭を後ろから殴られたみたいでした。2〜3回見ていくうちにいろいろと気づいてくることがありました。あれだけの事件が起こると、どこか頭が変になっている部分もあって。そう思いたい気持ちがそうさせたのか、「本当はHIDEは死んでいないんじゃないか」「ある日急に現れるんじゃいか」、そう思っている自分がいました。でも、この映画を見て、やっぱりこれは本当の事だったんだ、ありえないことがたくさん起こったけれど、やっぱりすべて本当のことだったんだ。なんなんだこのドラマは。だれがこんな脚本を書いたんだ…!って。逆にこの後どんな人生が待っているのかと怖くもなりました」

恐くなった、と思いながらも歩みを止めることはない。世界の場を広げるYOSHIKI。ワールドツアーも好評を博し、「Born to be free」を英音情報誌「Metal Hammer」のオフィシャルで公開した際、1日で5回もサーバーがダウンする事態になったという。YOSHIKI個人としても「ゴールデングローブ賞」のテーマソングを作曲するなど活躍の場を広げ、バンドは進化を続けている。葛藤を抱えながらも前に進み続けられるのは何故だろうか。

「自分は1回死んでるってことですね。1回どころじゃないですね。父が死んだときは僕も死のうと思っていたし、HIDEの時も…。今いることが奇跡みたいなもので、ファンの人にいただいた第2の人生だと思っています。解散する前、Toshlがああなってしまう前、HIDEがこの世から去る前はどこか僕たちはうぬぼれていた部分があったと思うんです。

当たり前のようにメンバーがいて、東京ドームを埋め尽くすお客さんがいて、それがいかにありがたいことだったのかこの10年で学びました。バンドの再結成なんてありえないことだったんです。逆にいうと怖いものは何もない。明日死んでもいいんだと思っています。いただいた人生をちゃんとまっとうしてファンの人たちにお返ししたいという想いがあります。海外進出は、亡くなったHIDEとTAIJIの夢でもありました。その意思を継ぐしかない。目標に向かって走る秘訣というか、「使命感」ですね。どこまでできるのかな…でも、不可能な事なんてきっとない」

「さまざまなことを乗り越えて、今の僕たちが最強」と語る。X JAPAN、そしてYOSHIKIを表現するものの一つに30分を超える楽曲「ART OF LIFE」がある。病弱だった少年時代、病室の壁に囲まれて「その壁を自分で打ち破らなければ、自分はその中で死ぬしかない」という思いで作り上げた楽曲だ。今も少年時代と変わらず“やるしかない”という強い想いがYOSHIKIをつき動かしている。

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