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(更新: ORICON NEWS

今更聞けない日本酒の基本&熱燗のススメ

ゴツい酒はお燗がうまい

「温めて飲む酒は世界でも珍しい。ホットワイン、ホットビールありますが、こんなに温度帯の広い酒は日本酒だけです。なかには『純米吟醸はお燗して飲むな』なんてことをいう人も世の中にはいますが、気にしなくてOKです。大きなお世話です(笑)」


<解説:燗酒について>
燗酒とは日本酒を温めて飲む飲み方のこと。日本酒は温度を変えると香りと味わいが変化する。温めると香りが開き、味わいもまろやかになる。アミノ酸が関係しており、燗酒に適しているのはいわゆる芳醇旨口のタイプと言われている。

「お燗については専門的な話は省いて、簡単に説明します。難しく考えないポイントは2つ。冷酒で飲んで『濃いな』『ちょっとグッとくるな』って感じる酒は燗すると香りと味が開いて飲みやすくなる。酸のきつい部分が和らぐ。乱暴な言い方ですが、ゴツい酒は燗上がりするんですよ。純米で「生もと造り」「山廃仕込み」の酒はお燗に適していますし、料理にも合いやすい。ラベルを見ればどこかに書いてあります。

同じ銘柄でも温度を変えると新たな味を楽しめます。『この飲み方飽きたな』と思ったら温度を変えてみる。同じ酒でも別のおいしさを感じられます。そういうレベルでOKです」


<長谷川社長流:お燗に適した酒>
・飲んでみて“濃い”と感じるお酒
・純米系で、「生もと造り」「山廃仕込み」のお酒

「アルコール強いと思ったら水で割って飲んでいいですし、僕も濃い酒には氷を入れます。楽に飲める、おいしく飲めるのが一番」

燗酒におすすめの銘柄

「自然郷 BIO」

「自然郷 BIO」

「つい最近見つけたいい酒があります。「自然郷 BIO」の純米酒はビックリするおいしさでした。バランスが完璧です。お燗にも合うと思いますよ。BIOはビオワインとかのBIOですね。この酒は最近で一番びっくりしましたね。最近では、蔵元が燗専用の酒として提案する銘柄も登場しています。先ほど、濃い酒はお燗が合うといいましたが、燗にしても濃いようなら、お湯や水で割ってもらってもいいと思いますよ。飲み方は自由です」

燗酒推奨の「純米 加茂金秀」(左)と「鳳凰美田」(右)。ラベルや肩ばりに燗酒を推奨する文字が記載されている。

燗酒推奨の「純米 加茂金秀」(左)と「鳳凰美田」(右)。ラベルや肩ばりに燗酒を推奨する文字が記載されている。

簡単お燗アイデア 平らな片口で電子レンジ

お燗は、とっくりを湯煎というのが昔からのスタンダードなやり方だ。だが、ちろりや温度計を用意するのは正直面倒という人のために、簡単なやり方を教えてもらった。

「燗酒にチャレンジしたいなら、平らな片口にラップしてレンジで温めるのが一番簡単。電子レンジで温めてもいいんですが、とっくりでやると首が狭まっているので酒の対流が難しく、温めムラが出てしまいます。それを回避するためにもまんべんなく温まる平らな片口がいいんです。片口がなければどんぶりでもいいですよ。ツウの方からの「ぬる燗が基本」とか、「温度を上げすぎると酒質が壊れる」とかいろいろな意見がありますが、酒の飲み方は好みですから。僕なんかは熱々も大好きですし、電子レンジで温めます。湯煎なんてしなくてもいい。ムードの問題ですかね(笑)」

決まりごととか、難しいイメージはあるが、なんでもありだと思っていい。長谷川社長は、難しいことは考えずにまず飲んで、「気に入ったら、こだわる人はこだわればいい」と笑う。本特集は日本酒のほんの入り口の一つ。後編はよりおいしく日本酒を飲むための、おつまみレシピを紹介。いい酒といいツマミで晩酌を楽しんでほしい。


(取材・文 / 加藤由盛)


<よりおいしく飲むために>
後編:プロが教える日本酒簡単おつまみレシピ
http://mens.oricon.co.jp/feature/130/


Information
『SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)』

サケコンペティションは出品酒世界最多、日本一美味しい市販酒が決まるきき酒イベントとして、2012年からスタート。今年で6年目となる。日本酒の鑑評会では、選考用の酒を造ることも多かったが、サケコンペティションでは、実際に消費者が購入できる市販酒の選考にこだわる。
「実は自社でのきき酒会は20年前からやっていたんです。サケコンペティションとして開催するようになってからは、中田英寿さんに協力してもらって運営しています。出す出さないは酒蔵の判断ですが、フェアなコンペティションを目指して全国1400以上、ほぼ日本の全蔵に案内を出しています。昨年の出品は1483点でした。すでに運営はかなり赤字なんですが(笑)。それでもあと出品100蔵くらい出展を増やしたいですね」


「まだ世に広く知られていない銘柄が上位に入ると、やっぱり注目を浴びて、その酒は飛ぶように売れます。最近だと福島の「寫楽」は典型的な例ですね。3年前に純米と純米吟醸の部門で1位を取ってからはすっかり“幻の酒”になりました。昔から知っている酒蔵さんでしたが、10年前と比べて流通量は約10倍になっているようです。すごいですよ。他の酒蔵さんも「寫楽みたいになりたい」って頑張っています。このコンペティションで1位になったら、すぐに蔵のタンクは空になります。それくらいの権威的なコンペティションに育っています」

(2016年1位受賞銘柄)※写真左から
純米酒部門1位「あたごのまつ 特別純米」(宮城:新澤醸造店)
純米吟醸部門1位「勝山 純米吟醸 献」(宮城:仙台伊澤家勝山酒造)
純米大吟醸部門1位 「愛友 純米大吟醸」(茨城:愛友酒造)
吟醸部門1位 「但馬 大吟醸」(兵庫:此の友酒造)
Super Premium 部門 「来服 超精米 純米大吟醸」(茨城:来副酒造株式会社)

表彰式の様子。中央に中田英寿さんの姿も。

表彰式の様子。中央に中田英寿さんの姿も。

審査員は総勢40名。全国の醸造試験場の先生など、酒造りの指導者や蔵元らがブラインドで評価する。純米酒部門、純米吟醸部門、純米大吟醸部門、吟醸部門(大吟醸含む)、Super Premium部門の5カテゴリに加え、今年は発泡酒部門、ラベルデザイン部門の2カテゴリが新たに実施される。5月17日〜19日に審査し、6月5日に表彰式を行う予定。どんなムーブメントが生まれるか、日本酒ファンは注目だ。

公式サイト
http://sakecompetition.com/(外部サイト)

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